君は死して今
いやいや、彌生大先生はご健在。
彼女の歌ですよ。何年かまえの森美術館だったか近代美術館だったかの展覧会で聴いた歌が忘れられなくて、今回に期待していた。
先週の金曜日に、行きましたよ。展覧会にガイドなんて野暮なモノはいらないのだが、歌を聴きたい一心で550円払う。作品や展示室の番号は無視して、歌と朗読をくりかえし聴きながら展示を見る。ワタシが好きなのは、「君は死して今」をききながら、鏡と豆ランプの「生命の輝きに満ちて」の中を歩くこと。「あの世」ってこんなだったらいいな〜…と思うのだ。
かる〜いトリップ感を感じつつゆっくり2周(8時の閉館まで続けようかと思ったが、ミュシャも、混んでないうちに見ておきたかったので)。この歌、戸川純かPhewがカヴァーしたらカッコイイと思うんだがな…「マンハッタン自殺未遂常習者の歌」も。
平面、立体の大量の大作といえば、昨年の村上隆展。較べてどうこう言うつもりはない、なんだかどちらも、見えない敵と闘ってる って感じがする。
仕事場のやよいちゃんコーナー
それいゆ
観に行ってきましたよ「それいゆ」
セツ・モードセミナーに行くため上京した年に中原淳一と寺山修司が続けざまに亡くなり、「東京にいれば、いつかは会えるかも」と少し期待をしていたのに出端をくじかれた30数年前。長沢セツは中原淳一がひいきしていた作家のひとりということは、すでに本などで知っていた。 「これから現実にスター作家の所へ通うんだなあ…寺山修司にはもう会えないのが残念だったけど。」と、いう当時のキモチ。
で、「それいゆ」
じつはね、連続テレビ小説みたいなんだったらイヤだな……と、ちょっと不安だったんですよ。芦原邦子役なんてでてきたら…とか。 でもそれがね、なかなかリアルでシビアな男の戦いと、時代の寵児といわれ幸せなはずなのに、大きな欠陥をかかえて一人苦しむ中原淳一の様子が描かれていてヨカッタです。ちゃんと高英男役とか、鈴木悦郎をはじめ当時の「ひまわり」の新人作家を1人にまとめた秘書兼弟子とか、実話とフィクションの配合もバランスいいとおもいました。ワタシが好感を持ったのは中原と対照的な役所、自称実業家のインチキ野郎でした。
第二次世界大戦を経て、モノトーンの焼け野原からまたキラキラピカピカのカラフルな世界をよみがえらせたのは、中原淳一・長沢セツ・内藤ルネの「3大N」だとワタクシは強く、しつこく主張する。(リアル中原淳一の命日は今月19日です)。
長過ぎる低迷(万年下積み)で気にもかけることがなかったが、ワタシの名前にも「それいゆ」があるのだし…
もう、セツモードセミナーに用がない
長沢セツ生誕100年を境に、今月とうとうセツ・モードセミナーが終わる。
ワタシからすれば… ワタシだけではない、生前の彼から薫陶だの影響だのえこひいきだのを受けた者は、長澤先生が亡くなったときにもう終わっていたのだ。
先生がご健在のうちに大成してやろうなどと力んでいた若い頃、先生が好きすぎて真似しすぎて、「真似のその先」へ行かなくては、とおもいながらも「その先」がなかなか見つからず先生のいない20世紀の長い長いトンネルを手探りで歩いていたワケである。21世紀、皮肉にも先生がキライな立体で自分の道が開けたのは、自分でもわからない、「スノードーム」なんて、今でも自分からは「ゼッタイ」買わないものなのに…。先生の「何だおまえ!こんなんつくったのか?キモチワルイ!!」という声が聞こえそうである。いや、あの世から言ってる。 で、一方「それいゆ」つながりのルネ先生は「あらヨーコさん、もっとハデにいきましょう♡」なんて言ってるのだろうなあ……。
で、明日はサンシャイン劇場へ中山優馬が中原淳一を演じる「それいゆ」を観に行く。
弥生美術館では「長沢セツ展」
友情?
今年初の更新!なにをやっとんのじゃ。 と、自分ツッコミしたところで答はひとつ「よっちゃんがいないから」 (昨年11月の記事を読んでね)もう一周忌が来ます。
でも、クシノテラスの櫛野さんはじめ、制作をやめないでいられるよういろいろ面白そうなハナシ(企画といいますか)が舞い込んできます。そして昨年秋、二丁目に、旧知のマーガレットさんが始めた「オカマルト」なるまさにカルトなブックカフェに行きました。もう十年以上会っていないから忘れられてるかと思ったら! 十年や十五年のブランクなどなんのその、全く変わらない明っかるーい再会になったのでした。(トシはとったけどなっ)
上の写真は2003年に作ったマーガレットさんのスノードーム。原宿のフェティッシュグッズのお店「BABY DOLL」に展示されていました。
その昔('90年代)、マーガレットさんのおかげで新宿のクラブに絵を飾らせてもらったりして、(今おもえばぜんぜん中途半端なハズカシい出来だった…)大低迷期を乗り越えることができたのだ。そしてまた、マーガレットさんとの雑談からおもしろいアイデアが出て来ました…。
よっちゃん、あの世から見ていて下さいね、二丁目はホントにいいところです。
メリー・クリスマス の翌日
25日の記事がなんかヘンだったので仕切り直し
たぶん今年最後の更新になるとおもいます。
昨年に引き続き滞りがちでした、反省。二回目の展覧会をはやくやらないと忘れられてしまう……自分も気力体力は衰える一方だし。
…などと言ってはいられない、こんなスゴイ人もいるのだよ「ダダカン」こと糸井貫二さん
今月はじめに96歳になられた前衛アーティスト。 1960〜70年代にかけて「パフォーマンスとハプニング」と後にいわれるムーブメントがあったわけですが、中でも元手がかからず効果の大きい「ストリーキング」なる市街地をすっぽんぽんで駆け抜ける行為をする人々(自称アーティスト含む)が世界じゅうに現れました。日本ではこのダダカンさんが、東京オリンピック(1964年)や、大阪万国博覧会(1970年)にあわせて裸で街を走り話題(問題)になりました。ワタクシぐらいの歳のヒトなら覚えているかと…。(竹熊健太郎さんや都築響一さんの著作に詳しく書かれています。)
来年1月29日まで福山の「クシノテラス」で開催されている「遅咲きレボリューション」にあわせて作ったものです、現物はクシノテラスで見ることができますよ。今年はもうお休みに入ってしまいましたが、年があけたらすぐ行こう!!縁起いいよっ!
クシノテラスURL http://kushiterra.com/
では皆様よいお年を〜
ら・り☆ルネ
今回久々にアップするスノードームの「中のヒト」は、三月に亡くなったトモダチのよっちゃん。「Kawaii のルーツ」なんて言われている内藤ルネ、そして「薔薇族」の編集者藤田竜という二人の大物(敬称略)を最期まで支え続けた人物である。
二丁目に「ら・り☆ルネ」(ルネ先生健在時、HP内に同名のコーナーがあった)という店を始めたばかりだったのに、そしてワタクシもこれからもっとたくさん作品を見てもらいたかったのに……。 で、来週17・18日にその3.5周年パーティーが行われます。このスノードームも、お店にありますよ!
↑翔子ママ
ら・り☆ルネ 新宿区新宿2-12-14 ニューフタミビル6F B
そして19日には並木橋「アマランス・ラウンジ」の14周年パーリー! ここにも10年ほど前まではスノードームがあった(いまはない)。
ワタクシの作品を支持してくれる人々はゲイのヒトの割合が高いこと、ウレシイ。