福山。

 ひさびさに血が騒いで、居ても立ってもいられなくなって福山は鞆の浦へ。ポニョも龍馬も眼中に無い!! その名も「極限芸術 死刑囚の表現」@鞆の津ミュージアム。 

 あつかうモノがモノだけに、リスクを負いたくない「オトナ」な美術界からは見向きもされず。表面しか見えない、というか「死刑」という単語だけに過剰反応する方面からのバッシングだけはバカスカ送られてくるという散々な状況のなかでも、展覧会の真意を理解するひとはちゃんといる(あーヨカッタ)。都築響一さんのトークもあるというんだから、こりゃいかなきゃ。(以降北川フラム、茂木健一郎田口ランディの各氏が続きます)
「むしゃくしゃしたので誰でもいいからヒトを殺したかった」というのが動機の殺人事件がおこるたびに、「絵なりダンスなり、ジャンルはなんでもいいからとにかく自分なりの表現ができるものがひとつでもあれば、彼等は殺人犯にならずに済んだのではないかしら」と常々思っていたし。
 今回娑婆に展示された作品を描いた死刑確定の人たち、すでに執行されてて「遺作」の人も数名いる、彼等だって「犯罪者」になる以前は絵なんて日常的に描かなかったとおもうのだけど、(なかには「彫り師」志望だった人のスゴく上手い絵もある)犯罪者、受刑者になってはじめて絵を描くことを通して正面から自分と向き合ったのではないか。そんな作品だから放たれるパワーとかオーラの強力さが尋常ではなく、どう言っていいかどう言っても正確に伝わらない気がする。それより死刑の日を待つばかりの人たちの気持ちは、絵を見て驚いているだけの娑婆の我々には結局伝わりきらないまま……  伝わレレレ…。
 また、行くかもしれない。